師匠=元ブックマンJr.説と新聞・本について
師匠やっぱ元ブックマンJr.説濃厚やん…という話をします。27巻の談話室ネタからスタートするので、ネタバレが嫌なオタクはブラウザ閉じてどうぞ。
OK?
27巻の談話室にクロス・マリアンぶっこまれると誰が思ったよ。動揺しまくった結果、「動くな、つか喋るな」という限界オタクの極みみたいなコメント吐きました、元気です。だってどう考えても14巻くらいのテンション高めの師匠がぶち込まれるわけじゃん。本編(アレン過去編)の師匠メンタルド底辺じゃん。温度差がもう無理じゃん。グッピー死ぬじゃん。
まぁ、元帥2人参加しといて四元帥絡みの質問回答がほとんど無いそこそこ悲しいアレでしたけど、談話室の師匠さぁ…ブックマン一族絡みの質問に対応するために引っ張り出された感があるんだよな…。
『聖櫃』→『キャラグレ』→『記録』と更新されるにつれ、プロフィールがどんどん不明確になっていくクロス元帥は正体に関していくつか説がある。「元ブックマンJr.説」はその一つ。26巻が出た時に認知度高い説だと思ってツイートしたら、ほかのDグレクラスタさんをザワつかせてしまい慌てて記事にしたのが下記になる。今から要約するのでわざわざリンク先に飛ばなくてもOKです。
師匠の元ブックマンJr.説は、『灰色ノ聖櫃』が出た頃には唱えるファンがいたものと思われる。2008年当時は今と比べて情報が少ないので、根拠と言えるのは①『聖櫃』で獅子座生まれがクロス元帥,ブックマン,ラビしかいない、②ラビとクロス元帥の見た目が似通い過ぎている、の2点だった。あとは「クロスがアクマの改造ができる唯一の人物」であることを、ブックマン(※ラビ16歳頃入団なので教団所属は3年前後)だけが知っている点*1。
そこへ「ブックマンの吸う煙草」と「クロス元帥の煙草」の匂いが同じ(≒銘柄が同じ)と取れる会話が26巻談話室で挟み込まれたので、\えっヤダァ急に何怖い/というのがこの記事。
27巻でまたブッコマレタネーーーーーーーー
ラビやブックマン一族絡みの質問にシレッと師匠が答えるのだ。ブックマン一族は普通の人間より身体能力が長けている(※初出情報)も師匠のコメントだし、ブックマンの職業病(膨大な記録を処理するため脳がヒートして起きる頭痛/滅多になくやり過ごすしかないらしい)についても言及した。なんなら「ブックマンの始祖についてちょっと知ってるだけ」と来た。
ヤダもうこれ、ほぼ確じゃん解散(しない)。これでJr.じゃなかった場合、別の世界(≒柱で滅んだ世界)の出自とかにならないと「始祖について知ってる」がアレしてくるので、頼むから元Jr.であってくれの域。
ところで一つ、話していい?リミックス第7巻でポストカードになった「Thankful for ordinary days!」というイラストのことだけど。
初出は24巻の巻頭ピンナップ。24巻には「Near you...」とあるだけなので、リミックス7巻のイラストタイトルに「えっコレそんな名前だったん??」ってなった。ピンナップの存在を24巻発売からかなり時間が経って知った時、「何で誰も教えてくれんかったん????嫁出てるやん????!!!!供給じゃん!!!!!!!」と叫んだのは今や遠い思い出。ちなみに「Thankful for ordinary days!」は直訳すると、「普通の日々に感謝している」になるのでソレ誰目線の何…って感じで氷館が勝手に死んだ。
これなんだけど師匠、フランス語の新聞読んでるんですよね。
LEとか書いてあるのでラテン系言語だな~と思ったら、「LE JOURN(AL)」が「新聞」という言葉なのはフランス語。あと、読み取れる単語をGoogle翻訳にぶっこむとやっぱりフランス語。上から3行目の「suspendues hier」は「昨日中断」、4行目の「EST RESTITUEE」は「返されます*2」。
師匠にもたれかかって眠るアレンの横には山積みにされた本。崩れ落ちて開いてる本は、「He」「human with」「who」らしき単語が見えるので恐らく英語。このイラスト内で2言語出てきとる…。なお、この漫画の共通言語は英語である…。
でまぁ、あの、新聞ってどっかで見たことありませんかね…。さらには背中合わせになってる構図で…。
16巻158夜のラビとブックマン…。
(シェリルがアクマを使って起こした)戦争の開戦を報じる新聞を、背中合わせになって読むブックマンとラビ…。正確に言うとラビは折りたたんで、ブックマンは新聞を開いて読んでいる。
ざっと見た感じ、そしてフォロワさんに教えてもらった範囲でDグレ作中で新聞を読む描写があったキャラクターは限られる。3巻第21夜でアレンとリナリーは日付の確認のため、新聞を開いて奇怪が終わっていないことに落ち込む。18巻第175夜でティモシーが新聞の切り抜き(というより破った欠片)のガルマー警部の写真を眺めて捨てる。新聞という小道具は時々登場してるけど、「読む」という行動をとるキャラがあまりいない…*3。
で、その数少ない「新聞を読む」キャラがブックマンとブックマンJr.のラビ。「Thankful…」のアレンはティムを抱えて寝てるので、新聞を読んでいるのは師匠だけ。開いて読んでいるが、同じイラスト内にもう一つアイテムがある。そう、本。しかもわりと山積み。
158夜のラビとブックマン、周り本の山じゃなかったっけ?と確認したら新聞の山だった。9巻の空きページで紹介されたラビとブックマンの部屋も、新聞だらけで本は見当たらない。じゃあ、本の山をどこで見たか。
ラビ。
そもそもラビは趣味に読書が入っているキャラ。17巻第163夜では「じじいが明日までに記録しろって」と、本2冊を抱えている。(※ほかにもあるかもだけど師匠クラスタの氷館が、ラビと本の組み合わせでパッと思い出すのが163夜なんだな…)それから13巻第119夜の扉絵、「ラ」+「ビ」のあれ。棺に入った小物はラビが記録してきた物*4。入ってるんだなぁ…本がいっぱい…。
作中で登場する本は科学班のラボに山積みされていたり、ジャスデビ戦の舞台が書庫のような場所だったり、17巻でジョニーが引き裂いたりと「新聞」よりもポピュラーに描写されている。ただ、ブックマン→新聞ならブックマンJr.(ラビ)→本って感じがしなくもない。
で、何だっけ?「Thankful for ordinary days!」のアレンに寄りかかられて背中合わせ状態の師匠が?新聞を開いて読んでて??山積みの本が傍にあるって???
…モチーフで暗示してるとしたら、わりとパーフェクトなんだよなぁ…(遠い目)。そもそも師匠のカラーイラストはわりと胴上か顔周辺アップが多くて、引きの絵で複数の小物が映り込む余白(背景)があるの珍しいっていうか、ほぼこの絵だけでは…*5?えっ師匠、背景が描かれた扉絵とかある?無ッ(▼文章はここで途絶えている)
クロス元帥=35年前に失われたブックマンJr.と仮定すると、何らかの要因で資格をはく奪もしくは喪失、破棄した可能性が考えられる。
1.ブックマンJr.の立場でブックマンしか知ってはいけない記録(例:世界の裏)を知ってしまい、資格はく奪or喪失
2.傍観者(=ブックマン)という立ち位置を保てなくなったため、資格はく奪or喪失
3.14番目に関わった結果、自分から資格を破棄
くらいしか今は思いつかないんだけど。新聞開いて読んでて、でも傍に山積みの本があって…というのを踏まえると、1寄りの展開来るんじゃないかなぁ。「世界の裏」と師匠が触れた「真理」ってイコールなのかな…。ブックマンが「人」にカテゴリされていて、なおかつ「老いている*6」から別物な気がする…。
などと思うのであった、作文。
以上、「Thankful for ordinary days!」って師匠=元ブックマンJr.の暗示だったりするんじゃね?でした。この新聞何語かな~からこっちに転がるとは思いもしなかった。3700字です解散!!!
*1:しかも「このことは黒の教団の誰も知らない ワシだけが知っとることだがな…」と続く/8巻第75夜
*2:新聞の見出しなら「返却」とかかなぁ
*3:ほかに主要キャラが新聞を扱うシーンがあったら教えてほしい
*4:『灰色ノ記録』にて「棺の中に入っている小物は、ラビがこれまでの旅路で記録してきた物たち。ラビの中身は空っぽで、情報だけを詰め込んでいるということを表しています。」と解説
*5:14巻表紙や小説3巻裏表紙みたいな単体絵、23巻裏表紙みたいに表情が見えないアップの構図が多くて、小物があっても228夜や26巻表紙のようにせいぜい1個のパターンが割と多い…気がする。煙草?あれもう体の一部じゃん。
*6:24巻第218夜でマナを抱き寄せるロードを、ドアの外から眺める細面で鷲鼻の耳が少し尖った人物(※35年前のブックマンと思われる)よりも老けている。
Dグレの英訳が「元帥=General」な件-その2-
前回、Dグレの「元帥」が英訳だと「Marshal(=元帥)」ではなく「General(=大将)」って話したじゃん?何故か1人で知的好奇心がオーバーランしたので、この話の続きをします。ちなみに前回記事は下記リンクです。
無駄にあぁだこうだ言ってる記事なので、
「元帥」の英訳は、『黒の教団の実働組織における最高階級』という性質により近い意味を持つ言葉として「general(=大将)」が選ばれたと推測される。
という結論だけ把握してればOKってカンジの代物です。
と、なるとまぁ…気になるじゃん?各国の「元帥」と、フィクションであるマンガ(Manga)の「元帥」の各国語訳。なので、ググった。
※注意点※
・全てWikipedia、または百度百科記事を参照しており、一次資料の調査はしてません。(要約:各国語訳の実物を確認して書いてる記事ではないです。)
・各国の元帥に関しても上記同様、論文等の研究資料には目を通しておりません。
・うっかり知的好奇心が突き抜けてしまったオタクの、自己満足夏休みの自由研究ライト版です。
OK?
続きを読むDグレの英訳が「元帥=General」な件
Dグレの元帥、英訳だとmarshalじゃなくてgeneralで訳されてる(っぽい)のこういうアレじゃね?っていう話
— 氷館晶 (@hitachiakira) 2020年6月14日
無駄に図解もしてしまったので放流しておきます pic.twitter.com/poL53EkXQK
なんかノリで放流したツイートに思いのほかリアクション貰って驚きました。
今回はなまじ中途半端に軍関連の知識を持ち合わせたオタクが、Dグレの英訳で「元帥」が「general(=大将)」なことにアホほど動揺して闇を受信し始めただけの記事だよ!軍の階級なんてクソややこしいものマジで専門外なので、ふわっふわしたこと言っててもスルーしてくれるとありがたいですね。私の専門は軍艦の新聞なので。
どのくらい専門外かというとフォロワさんの「元帥って英語だとmarshalのはずなのに、海外wikiや英語版をざっと見るとgeneralになってるのは何故?(※要約)」を見るまで、Generalが大将を指すことに気づかなかった程度のポンコツです。普通にGeneralって書いてたから、元帥って意味だと思ってた(アホ)。
でまぁ、冒頭のツイートはフォロワさんの疑問を受けてのものでした。気付くと気になり始めるオタクの性。
本当は佐官、尉官の下に兵がいるわけなんだけど、ややこしい上に本題と関係無いし軍学校卒業した・してないって話も出てくるので割愛してます。っていうか夜中の1時に6巻とか『灰色ノ聖櫃』とか『記録』とかひっくり返してたんで雑図解なのは是非もないよね、この時点で既に月曜だぞ。
ちなみに「大元帥」の英訳が気になって後で海外wiki調べたら、「the grand general」と訳されてるっぽいので、もうマジで上の図解はイメージ掴むための参考画像程度に思ってほしい*1。
先述の疑問は『単語の意味としては「marshal」が正しいのに、何で大将階級を指す「general」を「元帥」の英訳に充てているのか?』なワケですが、これがめんどくさいことに多分ニュアンスの問題。直訳ではなく、元の言葉が含むニュアンス込みで単語を選ぶ翻訳における技術・工夫のたぐい。
ここからの話は氷館のゆるふわ知識とWikipediaベースになるので、詳細が気になる方はご自身で調べていただきたい。私が一番知識を持ってるのが旧日本海軍になるので、その辺の話を出してしまいがちになると思う。
そもそもDグレは「黒の教団」実働組織が「エクソシスト」と「元帥」のみで構成されたちょっと変わった構成をしている。「元帥」はサポート組織のトップである「室長」と同列の役職ではあるが、普通のエクソシストと「元帥」の間に階級は一切無い。あるのは「イノセンスとのシンクロ率100を超える臨界者」になったか、なってないかくらいだ。(臨界者は「元帥になる資格」なので、ほかにも条件がある可能性は高い。)
軍隊における「元帥」って名誉職・称号的な扱いのことがわりとあるんですよね。王様レベルで偉い人が就いたり、栄誉をたたえて贈ったり。例えば山本五十六は死後、元帥の称号を賜っている*2。名誉称号でなければ「平時では任命されない」とか、とにかくレアな階級。
そんな特別な階級を示す単語を、ヒラ隊員(エクソシスト)の上位互換的な役職の訳に使って正しく意味が通じるだろうか。…スゲェ微妙なライン。
そもそも「general(大将)」の時点で、めちゃくちゃとんでもない階級を指してるんだよね。ロイ・マスタングもムスカも大佐(陸軍:colonel/海軍:captain)なんですよ、大将はそれより3階級上*3。海軍なら大佐で戦艦規模の艦長になれるし、山本五十六が連合艦隊司令長官として指揮を執ったのは中将の時。それより上。多分本来の意味そのままで考えてしまうと、Dグレの「元帥」≒「general(大将)」訳も階級が高すぎる。「大将」は軍の実質的な最高階級であって、戦場ド真ん中に身を置くような身分じゃないのだ。
「黒の教団」実働組織の最高階級を示す「元帥」の意訳として、名誉職的な側面もある「marshal(元帥)」ではなく「general(大将)」が選ばれたのは何もおかしくないとは思う。
ところで超余談なんだけど、日本のオタクが元帥と聞いて出てくるものって『ONE PIECE』の海軍の「元帥」じゃないかなと思って、海外wiki調べたら「Admiral(海軍大将)」って訳されてるみたいで興味深かったです*4。「元帥」を「marshal(元帥)」で直訳してる漫画、あまりないのでは…??\ヘーーイ提督ゥーー/
まぁそれはさておいてですよ。
対外的にはアホみたいに偉い階級なのに生贄程度にしか思われてない黒の教団クソ闇深いな????????
連合艦隊司令長官レベルの階級与えられた生贄って何????(←思考回路の衝突事故)うっかり尊さスイッチ入ってしまって困惑するなどしている。
あまりにポンと「元帥」という単語を放り出されていたので、完全にスルーしてたんだけど、えっ…は??general(大将)???クソ偉いじゃん……何??????みたいなことになっている。めちゃくちゃに動揺している。なにお前そんな偉かったん…。
うっかり好奇心オーバーランしたその2↓
*1:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_D.Gray-man_characters 2020年6月15日アクセス
*2:旧日本軍の元帥は「元帥の称号を賜って元帥府に列した陸海軍の大将」であって個別の階級ではない、とのこと。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E5%B8%A5_(%E6%97%A5%E6%9C%AC) 同年6月15日アクセス
*3:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Fullmetal_Alchemist_characters 同年6月15日アクセス
*4:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_One_Piece_characters 同年6月15日アクセス
アレンは師匠を救えない話
アレン・ウォーカーはこれ以上クロス・マリアンを救えないという話をします。
と言うより、師匠の弟子への好感度の高さ何なん?という話です。わりと真面目な話の予定だけど、生産ラインが元帥受けの腐女子なのでご了承しろください。ちょいちょいオタクが泣き出すし、ネアへの当たりが強いです。
下記記事を参考に、いくつか電子書籍から画像をポイポイしております。(※6月1日追記:こちらの記事の方が適切とのご指摘があったため、リンクを貼り換えました)
過去にチラッと書いてるんだけど、うるせぇーー!情報整理するんじゃーー!!というアレです。貼りつけた過去記事は、師弟が互いへの感情こじらせまくってて控えめに言ってヤバいって話をしています。
この記事をザックリ分解すると、
弟子:普段めちゃくちゃ師匠をdisる。でも弱気や不安で自分を肯定してほしい時、アドバイスをもらって安心したい相手は「大好きな養父」のマナではなく「家族じゃなく鬼畜」の師匠。ネアの精神世界で再会した師匠を「弱気な自分が見せた幻だ」とか思うレベル*1。どんだけ師匠に大丈夫って言ってほしいんだ(※残念ながら状況的に「大丈夫」系のレスポンスが返ってくることがほぼ無い)。
師匠:「おまえには本当に感謝している だからせめて苦しみの少ない最期であってほしい」という言葉に象徴される、キャラブック曰く『親心』を抱える。14番目関係者という立場にあるが、14番目復活のため消えていく“アレン・ウォーカーという宿主”の最期の時間を「怖いなら一緒にいてやる」と自分から提案すらした*2。
…
…いや
どう考えても明らかに師匠の感情が重いんだわ。
バランスとるために頑張って師匠側の文量抑えた記憶すらある。
要するに「看取ってやる」「ネア(14番目)にかき消されるアレン・ウォーカーという存在を、14番目関係者として忘れないでいてやる」って言ってんだわ。
状況のせいもある、それにしても重いんだわ。
っていうかアレンさん、親に自己肯定感を求める子どものそれだよ。無意識で扱いが親じゃん認めろよ。マナよりよっぽど健全な親子関係成立しちゃってるよ。
というわけで、弟子に比べて師匠の感情が重いの何でや?って話をします。
長くなる予感がしたので目次を置いてみることにしたぞ!
- クロス・マリアンという男
- 30年がかりの無茶振り
- 人情が低いという評価
- 達成可能な目標のある世界
- アレン修業時代の5年間
- 寄道:229・230夜と「泣く」
- 弟子はこれ以上師匠を救えない
- 222夜の偽善者